日本・米国・欧州・英国の中央銀行である日本銀行(日銀)・FRB・ECB・BOEのボードメンバーのリストを見ることが出来ます。そして、そのメンバーの投票権の有無や、経済や金融政策に対して誰がハト派なのか、それともタカ派なのかもわかるようにしています。
タカ派・ハト派の判定は管理人であるホルスタインが、そういった要人の発言内容を加味して、適宜変更するという形で運営しています。
アメリカの中央銀行:FRB(Federal Reserve Bank) タカ派・ハト派マップ
ユーロ圏の中央銀行:ECB(European Central Bank) タカ派・ハト派マップ
イギリスの中央銀行:BOE(Bank of England) タカ派・ハト派マップ
オーストラリアの中央銀行:RBA(Reserve Bank of Australia)
日本銀行(日銀):BOJ(Bank of Japan)
(クリックすると各国の中央銀行メンバーの詳細にジャンプします)
タカ派ハト派とは?
タカ派・ハト派をざっくり言うと、
タカ派:金利を上げたがる人(下げたがらない人)
ハト派:金利を下げたがる人(上げたがらない人)
です。中央銀行などの要人が発言を行う際、その発言を行う人物が「タカ派」なのか「ハト派」なのかは非常に重要視されます。
タカ派
タカ派は、タカという肉食の猛禽類のイメージの通り、強硬派を意味します。
政治においては、衝突や武力行使を辞さないようなスタンスのことを表したりもします。相場においては、金融政策を引き締める方向(政策金利を上げるなど)を選好する人をタカ派と言ったりします。
ハト派
一方のハト派は、ハトという平和の象徴である鳥のイメージの通り、穏健派を意味します。
政治においては、平和的な解決を望むスタンスのことを指したりします。相場においては、金融政策を緩和する方向(政策金利を下げるなど)を選好する人をハト派と言ったりします。
そのため、要人発言が予定されている時に、その発言する人物がタカ派なのかハト派なのかを知っておくことは非常に重要だと思います。
タカ派・ハト派マップの使い方
タカ派な要人ならば、金利が上がってしまうような発言を行い、その国の通貨の魅力が上がり買われるようなことが起きる可能性が高く、
ハト派な要人ならば、金利が下がってしまうような発言を行い、その国の通貨の魅力が下がって売られてしまうようなことが起きる可能性が高いと言えると思います。
また、ある要人が発言する内容が、
「次の会合で利上げをするべきだと思う」のような、タカ派な発言だったとしても、その人が普段からタカ派な人と認識されているならば、相場は大きく反応しないことがあります。一方で、普段は金利を上げることに慎重になるべきと主張するようなハト派な人物が、同じ発言を行ったならば、その国の通貨が大きく買われることがあります。
それは、普段は金利を上げることに消極的な人(ハト派)が、タカ派なことを言ったということで、それだけマーケットに対してサプライズがあったからです。
マーケットで重要なのは、出てきた材料に対して市場参加者がどのように反応を行うかだと思います。それを考える上で、発言を行う要人がタカ派なのか、あるいはハト派なのかを知っておくことはトレードを行う上で強い武器になると思います。
タカ派ハト派マップの変更点
2018年10月の変更点(米国:FRB)
・空位だったサンフランシスコ連銀にデイリー氏を追加
・直近の発言を受けてFRBメンバーの タカ派・ハト派の順番を並べ変えた
2018年10月の変更点(欧州:ecb)
・スペイン中銀総裁をリンデ氏から後任のデコス氏に変更
(投票権に関するグループはリンデ氏の時と変更なし)
・直近の発言を受けてECBメンバーのタカ派・ハト派の順番を並べ変えた
2018年10月の変更点(英国:BOE)
・マカファーティー氏が退任、後任のハスケル氏を追加
・直近の発言を受けてECBメンバーのタカ派・ハト派の順番を並べ変えた
名前 | 役職 | ハト派![]() タカ派 ![]() | 2018 FOMC投票権 | 2019 FOMC投票権 | 2020 FOMC投票権 |
---|---|---|---|---|---|
名前 | 役職 | ハト派![]() タカ派 ![]() | 2018 | 2019 | 2020 |
カシュカリ | ミネアポリス | ![]() | × | × | ○ |
ブラード | セントルイス | ![]() | × | ○ | × |
エバンス | シカゴ | ![]() | × | ○ | × |
カプラン | ダラス | ![]() | × | × | ○ |
ブレイナード | FRB理事 | ![]() | ○ | ○ | ○ |
ハーカー | フィラデルフィア | × | × | ○ | |
ボウマン | FRB理事 | ○ | ○ | ○ | |
ボスティック | アトランタ | ○ | × | × | |
パウエル | FRB議長 | ○ | ○ | ○ | |
クラリダ | FRB副議長 | ○ | ○ | ○ | |
クォールズ | FRB副議長 | ○ | ○ | ○ | |
デイリー | サンフランシスコ | ○ | × | × | |
バーキン | リッチモンド | ![]() | ○ | × | × |
グッドフレンド | FRB理事 | ![]() | ○ | ○ | ○ |
ウィリアムズ | ニューヨーク | ![]() | ○ | ○ | ○ |
ローゼングリン | ボストン | ![]() | × | ○ | × |
メスター | クリーブランド | ![]() | ○ | × | ○ |
ジョージ | カンザスシティ | ![]() | × | ○ | × |
※2 ハト派タカ派のマークが付いていないメンバーは中立寄りのスタンス
※3 名前をクリックするとボードメンバーの紹介ページ(外部サイト)にジャンプします
・空位だったサンフランシスコ連銀にデイリー氏を追加
・直近の発言を受けてFRBメンバーの タカ派・ハト派の順番を並べ変えた
名前 | 役職 | ハト派![]() タカ派 ![]() | 投票権 |
---|---|---|---|
名前 | 役職 | ハト派![]() タカ派 ![]() | 投票権 |
ヴィスコ | イタリア中銀総裁 | ![]() | グループ① |
デコス | スペイン中銀総裁 | ![]() | グループ① |
ストゥルナラス | ギリシャ中銀総裁 | ![]() | グループ② |
プラート | ECB専務理事 | ![]() | 常に投票権あり |
レーン | アイルランド中銀総裁 | ![]() | グループ② |
ドラギ | ECB総裁 | ![]() | 常に投票権あり |
マクチ | スロヴァキア中銀総裁 | ![]() | グループ② |
デギントス | ECB副総裁 | ![]() | 常に投票権あり |
ライネシュ | ルクセンブルク連銀総裁 | ![]() | グループ② |
ヴェッラ | マルタ中央銀行総裁 | ![]() | グループ② |
スメッツ | ベルギー中銀総裁 | グループ② | |
コスタ | ポルトガル中銀総裁 | グループ② | |
リムシェービッチ | ラトビア中銀総裁 | グループ② | |
ビルロア | フランス中銀総裁 | グループ① | |
バシリアウスカス | リトアニア連銀総裁 | グループ② | |
ヤズベツ | スロベニア中銀総裁 | グループ② | |
ゲオルガジ | キプロス中銀総裁 | グループ② | |
クーレ | ECB専務理事 | ![]() | 常に投票権あり |
リッカネン | フィンランド中銀総裁 | ![]() | グループ② |
メルシュ | ECB専務理事 | ![]() | 常に投票権あり |
ノット | オランダ中銀総裁 | ![]() | グループ① |
ハンソン | エストニア中銀総裁 | ![]() | グループ② |
ラウテンシュレーガー | ECB専務理事 | ![]() | 常に投票権あり |
ノボトニー | オーストリア中銀総裁 | ![]() | グループ② |
バイトマン | ドイツ中銀総裁 | ![]() | グループ① |
※2 グループ①:開催ごとに輪番で、5か国の中から4か国が投票権を持つ。
※3 グループ②:開催ごとに輪番で、14か国の中から11か国が投票権を持つ。
※4 ハト派タカ派のマークが付いていないメンバーは中立寄りのスタンス
・スペイン中銀総裁をリンデ氏から後任のデコス氏に変更
(投票権に関するグループはリンデの時と変更なし)
・直近の発言を受けてECBメンバーのタカ派・ハト派の順番を並べ変えた
名前 | 役職 | ハト派![]() タカ派 ![]() | 投票権 |
---|---|---|---|
名前 | 役職 | ハト派![]() タカ派 ![]() | 投票権 |
ラムスデン | 副総裁 | ![]() | 常に投票権あり |
カンリフ | 副総裁 | ![]() | 常に投票権あり |
ブロードベント | 副総裁 | ![]() | 常に投票権あり |
ハスケル | 委員 | 常に投票権あり | |
カーニー | 総裁 | 常に投票権あり | |
テンレイロ | 委員 | 常に投票権あり | |
ブリハ | 委員 | ![]() | 常に投票権あり |
ホールデン | 理事 | ![]() | 常に投票権あり |
サンダース | 委員 | ![]() | 常に投票権あり |
※2 ハト派タカ派のマークが付いていないメンバーは中立寄りのスタンス
・マカファーティー氏が退任、後任のハスケル氏を追加
・直近の発言を受けてECBメンバーのタカ派・ハト派の順番を並べ変えた
名前 | 役職 |
---|---|
名前 | 役職 |
ロウ | 総裁 |
デベル | 副総裁 |
バルナバ | 委員 |
クレイク | 委員 |
ガエントス | 委員 |
ハーパー | 委員 |
モス | 委員 |
シュワルツ | 委員 |
タンナ | 委員 |
名前 | 役職 | 任期開始~任期終了 | リフレ派レベル |
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名前 | 役職 | 任期開始~任期終了 | リフレ派レベル |
片岡 剛士 | 審議委員 | 2017.7~2022.7 | 3 |
若田部 昌澄 | 副総裁 | 2018.4~2023.4 | 2 |
原田 泰 | 審議委員 | 2015.3~2020.3 | 2 |
黒田 東彦 | 総裁 | 2018.4~2023.4 | 2 |
櫻井 眞 | 審議委員 | 2016.4~2021.3 | 2 |
雨宮 正佳 | 副総裁 | 2018.4~2023.4 | 1 |
政井 貴子 | 審議委員 | 2016.6~2021.6 | 1 |
布野 幸利 | 審議委員 | 2015.7~2020.6 | 1 |
鈴木 人司 | 審議委員 | 2017.7~2022.7 | 0 |
※2 名前をクリックすると日銀の各メンバーの紹介ページにジャンプします。
※3 他の中央銀行とは異なり、日本銀行政策委員会のメンバーはタカ派・ハト派と表現することは一般的ではない。日銀のメンバーはそのほとんどがリフレ派であることから、リフレレベルという項目で政策スタンスを表現することにした。
リフレ派とは、リフレーション(インフレ率の目標を定めて、国債買入なとを行い積極的に資金供給量を増やして物価を押し上げようとすること)を選好する人達を指す。金融緩和を好むという意味では、タカ派よりもハト派に近いと言えるだろう。