FOMCのハト派シフトでドル安進行(1/28-2/1まとめ)

今週の為替(FX)市場についてまとめました。

今週起こった出来事やニュース、それをもとに来週以降の相場について自分の見解を予測しています。リアルタイムの為替(FX)のニュースについてはTwitterにて発信しています。

今週のまとめ

様々なイベントがあったこの1週間を振り返っていきます。

ポンド安:EU離脱日延期案を英国議会が否決

先週末から今週にかけてのポンドドルチャート

まず1月29日火曜日、メイ首相とEUが1月15日に作ったEU離脱案を否決した英国議会はその離脱代替案について採決を行いましたが、これによりポンド安が進行しました。

合意なきEU離脱の回避や北アイルランド国境問題のバックストップ案の撤回など、様々な離脱に関する案の合意があったものの、今回の採決でポンドを大きく動かしたのは、代替案においてEU離脱日を延期することを否決したことによるものでした。

1月15日の議会で当初のEU離脱案が否決されて以降、英国の正式なEU離脱日である3月末を先に延期することが好感されてポンドが買われていました。
なぜ離脱日を延期することによってポンドが買われたかと言うと、以下のような理由によるものでした。

  • 離脱日の先送りによって差し迫ったリスクを回避できること
  • 時間的に余裕が出来ることによって、EU・英国双方にとってより納得のいく離脱体制が構築されることへの期待の高まり
  • 再び離脱するかを問う国民投票を実施された場合には、離脱自体がなくなるかもしれないという期待の高まり

しかし、このポンドの買い戻し要因となった、離脱日を延期することへの期待が打ち砕かれる格好になってしまったことが、ポンド売りにつながりました。

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↑1月15日の議会採決によるポンドの反応はこちらのリンク先に詳細を書いています。

ドル安:FOMCは12月から打って変わってハト派シフト

昨秋からのS&P500チャート

1月29日火曜日、30日水曜日と米国ではFOMCが開催されましたが、この内容を受けて様々な通貨に対してドル安が進行する展開になりました。

上のチャートは米株の代表的なインデックスS&P500のチャートです。

昨年の秋に史上最高値まで上昇して株価のピークを付けたあと、年末から大きく反落する流れとなっています。
この要因は、FRBのタカ派な姿勢(積極的に利上げを行う姿勢)を嫌気したことによるものです。

実体経済に勢いがなくなってきていることから、これ以上の利上げを行わない方が良いとの考えがマーケットでは高まっていました。
しかし、12月19日のFOMCでこの年4回目となる利上げを全会一致で決定、また翌年以降の利上げ回数に関しても、市場参加者が思い描くより多い回数を想定していることがドットチャートによって示されました。

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金融政策を引き締めること(利上げを実施すること)は、インフレを抑えるために必要なことではあるのですが、それと同時に企業の調達コストを上昇させて世の中の消費意欲を抑えてしまうことから、株価にとってはマイナスに作用します。
そのため、翌年以降もFRBが政策金利を上げ続けることが企業収益を圧迫するとの観測の元、それまで堅調に推移し続けてきた米株が急失速する流れとなったのです。

そのため、この株安を受けて、パウエル議長をはじめとするFRBを批判する声が高まりました。
これを受けて、年明け以降にFRBは今後の利上げに対して慎重になるとの姿勢を強調するようになり、急激に意見をハト派にシフトさせていきました。

そして、迎えた今週のFOMCにおいて市場予想通り金融政策の現状維持を発表しました。
発表された声明文では、政策金利の引き上げ(利上げ)もバランスシートの縮小(量的緩和からの巻き戻し)も柔軟化していくとのスタンスが強調される内容でした。
更にパウエル議長の記者会見も足下の経済に対して終始弱気な見解を述べ、今後の利上げに関しては慎重な姿勢であるとのスタンスとなり、総じてハト派な中身となりました。

先週末から今週にかけてのドル円チャート

この内容を受けて利上げ期待が後退する展開となって米金利が低下、それを受けてドルが様々な通貨に対して売られる展開となり、前の週から109円後半をキープしていたドル円も108円台に突入するなど、大きく下落が進みました。

来週の相場予想:ドル円は戻り売り狙い

2月1日金曜日の雇用統計において、平均時給の前月比こそ+0.3%予想に対して+0.1%という弱い筋になったものの、非農業部門雇用者数変化は予想16.5万人増加に対して30.4万人の増加と予想を大きく上回る強い数字になりました。
この発表を受けてドル円は50銭上昇、109.50付近で週の取引を終えていますが、この流れは続かないと考えています。

週明けこそ、雇用統計後の流れを継続して110円付近まで到達する可能性は十分にありますが、年明け以降に何度も110円には抵抗されている中、現在の地合いで積極的に110円台を上に上に買い上げて行くような動きは限定的に思えます。

また、今週のFOMCの内容を見ても分かるように、FRBが昨年までとは異なりハト派にシフトしています。
この状況の中ではドル買いも進みにくいと考えていることから、ドル円の上値は重くなりやすいと思います。

昨年秋のように、株高が進行する状況であれば円安方向に動く可能性はあるのですが、昨秋とは状況が異なります。
日本株も米株も悪いコストで作ったロングで捕まっているプレイヤーも多いとチャートから推測できるのですが、そのため、株が上がるような材料が出てきてもヤレヤレ売りに押されやすく、株高を伴っての円安も難しいように思えてなりません。

以上のような理由から、110円付近まで近付いた時には、そこは戻り売りのチャンスと考えています。
110円付近でショートポジションを保有した際には利食いは108円台、損切りは110円60銭付近を現在予定しています。

また、先週書いた通り、ユーロドルは1.13-1.15のレンジがしばらくの間は継続すると考えています。
ポンドドルについても3.4カ月をかけて1.35まで上昇していくという中長期的な上昇目線を継続しています。