貿易摩擦緩和期待でリスクオン・円安が継続か?(1/14-1/18まとめ)

今週の為替(FX)市場についてまとめました。

今週起こった出来事やニュース、それをもとに来週以降の相場について自分の見解を予測しています。リアルタイムの為替(FX)のニュースについてはTwitterにて発信しています。

今週のドル円の上昇理由

今週は世界的に株高となってドル円は上昇しましたが、その理由は以下のような米中の貿易摩擦が解消方向・緩和方向に動いていくとの期待からです。

1月17日木曜日の米国時間、直後に米国財務省によって内容を否定されたものの、WSJから以下のような記事が出ました。

  • 「米国は中国に対しての追加関税を引き下げることを議論している」
  • 「ムニューシン財務長官が中国への関税引き下げを主張している」

また、翌日18日にはBloombergから、中国が前回の米中通商協議において、2024年度までに中国の対米貿易黒字がゼロになるように対米輸入を拡大することを提案していたと報じられました。

2018年末から現在までのドル円チャート

昨年2018年を振り返ると、米中貿易摩擦の激化が、世界の株式市場を押し下げて為替も円高方向に動かした、大きなリスクオフ要因でした。
そのため、今週は上記のように報じられたことから、今後の米中の貿易摩擦が解消、緩和方向に向かっていくとの期待が高まり、株式市場を押し上げて為替を円安方向に動かしました。

ドル円は週初は108円前半でしたが、18日の米国時間終了時には119円75銭付近まで上昇しました。

この上昇要因は上述の貿易摩擦緩和期待だけではなく、1月3日のフラッシュクラッシュと称されている日に、ロングポジションが一蹴されたことも一因だと思います。
この日(1月3日)、日本時間は休場かつ世界的に市場参加者が少ない時間帯に投機的な仕掛けを巻き込んで、大量のロスカットが執行されてしまった結果、ドル円は前日(1月2日)から5円近く下落して104円半ばまで下落しました。

この際に、2018年に形成されていたドル円のロングポジションの多くがロスカットされてしまったことから、現在の市場のドル円のロングポジションは昨年と比べて非常に軽くなりました。
そのため、相場下落局面はロスカットはあまり入らずに押し目買いが優勢になり、上昇局面でも戻り売りは発生しにくい状況になっています。
こういった需給面も足元のドル円の上昇理由でしょう。

来週以降のドル円

中長期的にはドル円は下落するとは考えていますが、来週に関して言うと、上述の貿易摩擦の解消、緩和期待も継続しやすいことから、株高を巻き込んで週明けすぐにでも110円の大台に到達すると考えています。

現在はドル円に強気ですが、いったん110円台に到達すると多少なり利食いの売りも入りやすいことから、来週は到達出来てせいぜい111円ぐらいだと思います。

ポンドは反発継続か?:EU離脱案は英国議会で否決後の動き

1月15日、英国議会は予想通りメイ首相が提案したEU離脱案を大差で否決しました。
本来であれば、EU離脱の行き詰まりからポンドの下落要因となりますが、この結果の発表直後からポンドは買戻しが優勢になり、1.267まで売られていたポンドドルは17日には大台の1.30に到達するまで反発しました。

先週末から今週にかけてのポンドドルチャート

この反発の理由ですが、否決が既に織り込まれていたことや、翌日にメイ首相の不信任案が否決されたことのほか、最大の理由は英国がEU離脱しないシナリオが意識され始めたことによるものです。

メイ首相がEUと作り上げたEU離脱案が議会で否決されたことから、今後のEU離脱のパスが見えなくなっていますが、最近はそもそも2016年に決定したこのEU離脱自体がなくなってしまうとの見方も増えてきています。

今週、英国の主要紙が行ったアンケートによると、現在再びEU離脱するかどうかを問う国民投票を実施すると62%の国民は離脱するべきではないと投票するとの結果が出てきました。
すなわち、もし再投票を行った場合には、離脱自体が無くなる可能性が高いということです。

また、野党労働党のコービン党首も、EU離脱を再び問う国民投票を実施することを支持するとの発言が今週ありましたが、再び国民投票をやる可能性もマーケットではだんだんと意識されてきています。
ここ3年のポンドの下落はEU離脱が決まったことによるものですので、もし離脱自体がなくなるのであれば、それはポンド買いにつながると言えるでしょう。
今週のポンド上昇理由は、この離脱しないシナリオへの期待の高まりも要因です。

実際に、再びEU離脱を判断する国民投票を実施するには、法改正などにも時間がかかり、少なくとも5か月以上は時間が必要と言われています。
そのため、今年3月が正式離脱の期限であることを踏まえると再投票をするには時間がありません。

しかし、英国がEU離脱期限を延期する可能性も高いと現在は考えられるようになってきました。
離脱期限の延長は、国民投票の再実施のためだけでなく、新たな離脱案を模索するためにも必要だと考えられているからです。

さて、今週の動きを改めて振り返ってみます。
当初の離脱案こそ否決されてしまったものの、市場は離脱日を延期することや新たな離脱案を作ること、更にはEU離脱を再び問う国民投票を行うことへの期待が高まったため、ポンド買いにつながりました。

個人的には、来週以降もこの流れは継続しやすいと考えており、ポンドは続伸すると予想しています。