日米で株価が年初来安値更新・為替は大きく円高に(12/17-12/21まとめ)

今週の為替(FX)市場についてまとめました。

今週起こった出来事やニュース、それをもとに来週以降の相場について自分の見解を予測しています。リアルタイムの為替(FX)のニュースについてはTwitterにて発信しています。

今週の相場の振り返り:株安でリスクオフ

今週最大の注目イベントは18日・19日と行われた米国の中央銀行会合であるFOMCでした。

10月までは世界的に株価も堅調で、経済の拡大期待とインフレの上昇期待から今月に今年4回目の利上げを実施して、来年も2回利上げをすると予想されていました。
しかし、10月中旬頃から世界的に株価が伸び悩むようになり、景気拡大の減速がクローズアップされ始めるようになると、パウエル議長はじめとするFRB高官達から来年以降の利上げペースが鈍化する可能性が示唆されるようになっていきます。

そういった理由から、今週のFOMCで今年4回目の利上げこそ実施するものの、来年以降の利上げペースの見通しについては、前回9月のFOMCの時に比べて下方シフトした内容が出てくると予想する向きが多かったのです。
この警戒感により、19日水曜日まではドルが様々な通貨に対して売られる展開になり、17日月曜日に113.50付近に位置していたドル円はFOMCの政策発表前には112.40付近まで下落していました。

そして、実際に発表されたFOMCの内容はタカ派な内容でした。
今年4回目の利上げを行い、政策金利は2.00-2.25%から2.25-2.50%まで0.25%引き上げられました。
また、来年以降の金利見通しであるドットチャートですが、2019年の利上げ予想回数の中央値は2回となって、前回9月の発表時の3回から下方シフトしていました。

ドットプロットチャート(参照:FRB

市場参加者の今回の利上げ織り込み度は65%程度であったことから、一部は利上げがないことも想定しており、利上げの実施はドル買い要因でした。
また、現在市場参加者のほとんどが来年は1回利上げできるかどうかと見込んでいる中で、ドットチャートにおいて来年2回が予想中央値ということは予想よりもFRBが来年以降の利上げに対して弱気ではないと解釈されました。

そのため、FOMC発表直後は、内容がタカ派に解釈されたことにより初動はドル買いになりました。
しかし、その流れは続きませんでした。

ドルは20日木曜日以降に下落を開始しました。
特に下落幅が大きかったのはドル円であり、FOMC直後からおよそ2円近く下落、一時は110.80まで下落して111.20付近で週の取引を終えています。

FOMCで予想よりも利上げに積極的なタカ派の姿勢が示されたことは確かにドルが上がる要因ではあるのですが、利上げは企業の資金調達コストを上昇させて個人消費を減退させる要因になります。
株式市場は今回のFOMCでの決定は企業業績の悪化につながると解釈して、ネガティブな反応をしました。

今週のダウ工業株30種平均チャート

FOMC後から週末の金曜日にかけて米国株は大暴落、これによりダウ平均株価も1年2か月ぶりの安値を更新しました。
 
この米株安の影響は大きく、日経平均先物も21日の米国時間に20000円を割って19790円で取引を終了、ドル円もこのリスクオフの流れを受けて円高方向に大きく動きました。
 
やはり、10月下旬から112円は何度も抵抗されており、レンジの下限として意識されていた中でファンダメンタルズを伴ってこの水準をブレイクしたインパクトは非常に大きかったのだと思います。

10月末以降のドル円チャート

来週以降の見通し:中長期的に円高進行の可能性が高い

来週はクリスマス休暇の関係で市場参加者が激減するため、市場の流動性が枯渇します。
そのため、方向感のない展開になる可能性が高いものの、市場参加者が少ないゆえに、動くような材料が出てきた際は普段よりも簡単にどちらかに大きく値動きが走りやすい相場になると思います。

来週はこのまとめのコーナーをお休みして、新年の1月10日前後から再開しようと考えています。
特に年末年始の相場に関しては強い方向感は持ち合わせていませんが、株安が更に進行するリスクが非常に高くなっているため、為替は円高方向に動きやすいと考えています。

わかりやすく日本株を例にとります

10月以降の日経平均株価

上記チャートは日経平均株価であり、21日金曜の15時段階で20167円の位置にいます。
そして上述の通り、日経平均先物は20000円を割れています。

この株価水準は昨年の9月以来ですが、現在の状況はその時と比べても更なるリスクオフにつながりやすいことから、非常に悪い状況にいると思います。
その理由は、マーケットにロングが大量に残った状態で下落が進んでいるからです。

日経平均は10月にバブル以来の高値である24500円付近まで上昇していたにもかかわらず、この2か月半の間に年初来安値を更新するまで暴落しました。
この下落のスピードが非常に早かったことから、高値で株を買ってしまい、まだロスカット出来てないポジションが現在マーケットには大量に残っていると推測しています。

特に10月上旬の株が高値圏にいた時期は株の先高観が非常に強かった時期なので、尚のことロングポジションは多かったと思います。
そう考えると現在の水準から多少株価が上がったとしても、ヤレヤレ売りで上値は抑えられやすく、また更に下落するとロスカットの売りが誘発されやすいことから、この株価調整の規模は更に大きなものになる可能性が非常に高いと思います。
そして、こういった状況は日本株だけではなく米株を取り巻く状況に関しても同じと考えています。

今年は10月まで、世界的に株価が堅調に推移していましたが、その後の下落の展開を考えるとまだまだ投げ切れていないポジションが溜まっています。
そう考えると、株価は更なる調整が入ってもう一段安になる可能性が高いため、円高も更に進行する可能性が高いと思います。
ドル円が年前半に110円を割る可能性は非常に高く、108円ぐらいまで下落する展開を現在予想しています。