ドル円はリスクオフの中で下落/ポンドはEU離脱問題が不透明な状況の中急落(11/12-11/16まとめ)

今週の為替(FX)市場についてまとめました。

今週起こった出来事やニュース、それをもとに来週以降の相場について自分の見解を予測しています。リアルタイムの為替(FX)のニュースについてはTwitterにて発信しています。

ドル円はリスクオフの中で下落

先週末から今週にかけてのドル円チャート

先週末に113.80付近で取引されていたドル円は売りが先行して、112円80銭付近で週の取引を終えました。
ドル円が下落した理由には以下の二つの理由があります。

1:リスクオフによる円高

先週末から今週にかけての日経平均株価チャート

詳細は下記の英国とポンドに関する部分で触れますが、英国のEU離脱を巡る不透明な状況を受けて、今週はグローバルにリスクオフが進みました。

日経平均株価も前週から下落する展開となり、リスク回避から円が買われる展開となりました。

2:利上げ期待後退によるドル安

16日金曜日、米国FRBのパウエル議長とクラリダ副議長から、

「海外情勢を踏まえると、断続的に続けてきた利上げを来年停止する可能性がある。」

との発言がありました。

市場参加者は2018年12月に今年4回目の利上げを実施して、来年も追加で2回利上げを実施することを見込んでいたのですが、この発言を受けて将来の利上げ期待が大きく低下してしまいました。
今月の中間選挙とFOMC直後のピーク時には80 %付近まで高まった利上げ予想確率ですが、彼らの発言を受けて65%付近まで低下しました。

下記は米国のWTI原油先物のチャートです。
12営業日連続で下落が続いて、今週ついに年初来安値を更新しました。

先週末から今週にかけての原油先物チャート

原油の価格低下は物価上昇率を低下させます。
結果的に、過度な物価上昇率を抑えるための利上げの必要性が低下してしまいます。

過度な物価上昇率を抑えるために利上げが必要な理由

こういったことも、米国の現在の市場参加者による利上げ織り込み度を低下させる要因になっています。

また、パウエル氏とクラリダ氏も海外情勢について述べていますが、後述の英国の問題を始め、中国やイタリア、サウジアラビアにトルコなど、世界の様々な国で景気後退につながりうる問題を抱えています。
米国外のリスクオフ材料も巡り巡って米国経済に打撃を与えることになるため、これもまた米国のインフレを阻害する要因になる事から、利上げのハードルは高くなりえるでしょう。

先週末から今週にかけてのドルインデックスチャート

利上げ期待の低下から、様々な通貨に対するドルの総合的な強弱を表す ドルインデックス(ドル指数) は、1年ぶりの高値付近から、下記チャートの様に今週は大きく下落する展開となっています。

英国のEU離脱問題が不明瞭になってきてポンドが大暴落

先週末から今週にかけてのポンドドルチャート

今週、もっとも動いた通貨はポンドです。

週初、メイ首相はEUサイドとEU離脱合意の草案を承認しました。
この草案を英国議会でも承認することが出来ていれば、晴れて英国は来年の3月の正式な離脱の日を前にして、貿易や関税などの様々な協定を結ぶことが出来たのですが、この離脱合意の草案に英国議会が猛反発しました。

英国のラープEU離脱担当大臣をはじめとする5人の閣僚が木曜日にメイ首相に反対を表明して辞任を表明、そしてメイ首相に対する内閣不信任案を提出するとの声も大きくなってきました。
この5人の閣僚が辞任した15日木曜日にポンドドルは高値から300pips下落する中、世界的にリスクオフムードが高まって円高が進行しました。

翌日の金曜日は閣僚の中でもメイ首相を支持するサイドの発言に焦点が当たり、ポンドは小幅反発したものの、来週以降も油断が出来ない状況が続くと思います。

来週の為替相場

先週までドル円は年内115円到達の可能性も高いと上昇を予想していましたが、現在の目線はニュートラルです。
順調に12月に利上げを実施出来て、英国をはじめとする現在抱えているリスクオフ要因が解消された場合には、115円に到達する可能性は十分にあると思うのですが、現在の段階では不明瞭な点が多すぎます。
今年1年、米国経済が一人勝ちだったこともあって、さまざまな通貨に対してドルロングが溜まりすぎていることから、その巻き戻しが入るとドルが暴落するリスクがあります。

そしてIMMポジションなどを見ても分かりますが、特にドルに対してショートが積みあがっているのは円です。
そのため、もし12月の利上げが出来ない場合には、12月利上げは既定路線と考えて構築されたドルロングポジションのクローズを巻き込んで、ドル円が暴落する可能性も低くはないと思います。
こういった状況を踏まえると、ドル円を中長期的にどちらかの方向にベットするのは難しいタイミングと感じています。

先週末から今週にかけてのユーロドルチャート

かなり前からユーロドルの中長期的な下落を予想していますが、その目線は現在も維持しています。
年内に1.100到達も可能だと思いますので、現在の1.14超の水準でショートをすれば、長い目線だと勝てる可能性は高いと考えています。