【6/4-6/8】今週の為替/FXのニュースと来週の相場予測

一橋大学卒。欧州系投資銀行所属、金利・為替トレーダー。

また、個人で2016年より仮想通貨を保有しています。Twitterで色々発信しています。(@c_p_t_k_d

今週の為替(FX)市場

あまり大きな材料はなかったため、ドル円は大きくは動かない1週間でした。

予想よりも数字がリリースされた雇用統計直後の前週末、109.50付近で取引を終了していたが、今週は上下1円のレンジを推移して前週末と変わらない109.55で週末を迎えました。

 

動きのあった通貨はユーロであり、前週末に1.166付近だったが、今週は一時1.184付近まで上昇して、最終的に1.177で週末を迎えました。

 

ユーロの上昇要因

今週ユーロが上昇したのは以下の要因です。

今週のEURUSDのチャート

①前週5/29のイタリアショックからの巻き戻しが続いている

前の週の5月29日火曜日にイタリア国債が大暴落して、世界的にリスクオフが大きく進む日があった。(下記リンク参照)

▼先週の仮想通貨市場のまとめと来週の相場予想

これもリンク先に書いてあるが、理由はイタリアで新しく発足する連立政権が、今後イタリアの政治を上手くハンドリング出来るのかにマーケット参加者が疑問を持っていることによるものである。

この時、ユーロは昨年7月以来となる1.15付近まで売られて、リスクオフの流れからドル円も108.10まで売られたのだが、そこからはいったんリスクオフで作り上げたポジションをクローズするような動きを巻き込んで、ユーロは買い戻しが続く展開となっている。

 

②翌週6/14のECB理事会での量的緩和(債券購入)終了時期発表への期待

来週、ECB(欧州中央銀行)理事会が実施され、ECBは2014年以降、金融緩和を強化しています。その金融緩和の一貫で、ユーロ圏の債券を購入するという量的緩和を行っています。

これは、債券を購入することによって、債券価格上昇=債券金利低下という影響を経済に与えます。世の中の金利低下が進むと、金利が低いことにより企業も経済活動が盛んになるし、個人もお金が借りやすくなって消費が増えます。

金利低下によって、消費を増やして物価を上昇させるということが、この量的緩和、金融緩和の目的です。

 

そして今週、ECBの何人かのボードメンバーから

「来週のECB理事会でこの量的緩和をいつ終わるか発表する可能性がある」

このような発言が出てきました。

 

量的緩和は金利を下げる効果があるので、これが終了する方向になると、金利は上昇する方向になります。金利が上昇するとユーロの魅力が上がることから、ユーロが買われる方向に左右します。

そのため、量的緩和終了が来週発表されると予想していなかった市場参加者はサプライズだったようで、このような発言が相次いだ火曜日から水曜日にかけてユーロは大きく反発する展開になりました。

 

来週以降の相場に関して

先週末と同様に、ドル円の中長期的な下落を予想しています。

多少の安心感は広がっているものの、イタリアの政治リスクはまだ残っています。いつイタリアの政治問題にまた火が付く可能性が高く、その際はリスクオフから円高方向に推移することになるでしょう。

 

また、これも先週述べたが、米国の現在の利上げ織り込みが高すぎます。

来週13日にFOMCをが開催されます。
今回の会合で利上げを実行するのは間違いないと思いますが、この会合で出てくるボードメンバーのスタンスは、市場参加者のコンセンサスに比べてハト派な結果になると考えています。

まだ市場の3割程度は、9月・12月と利上げを行うと見込んでいるようですが、これは明らかに織り込みすぎていると考えています。

市場参加者の考え方が、だんだんとFRBのハト派な考え方に近づいていくと予想していて、結果としてドルは売られやすいと考えています。

需給的にもチャート的にも110円超を積極的に買うプレイヤーは限定的であると考えており、そのため現在の水準でドル円のショートを構築したとしても、大きくやられる可能性は高くないと考えています。

 

以上のような理由から、来週以降もドル円は中長期的な下落目線を維持しています。

▼今週の仮想通貨市場のまとめと来週の相場予想