【5/28-6/1】今週の為替/FXのニュースと来週の相場予測

一橋大学卒。欧州系投資銀行所属、金利・為替トレーダー。

また、個人で2016年より仮想通貨を保有しています。Twitterで色々発信しています。(@c_p_t_k_d

為替(FX)市場

イタリアの政治問題で為替相場は大きく揺れ動く1週間となりました。

前週、109.40付近で取引を終了したドル円は、5月29日火曜日に一時108.10まで下落が進んだが、週後半には持ち直して一時は109.70まで上昇して、最終的に109.50と前週末とほとんど変わらない水準で終了した。

 

週前半のユーロ安・円高の要因

週前半はユーロ安・円高が大きく進みました。

下記関連記事に「現在のイタリアの政治について」に詳細は書いていますが、現在イタリアでは、既存の政党の支持率が下がっています。ここ数年で設立されたポピュリズム政党と極右政党が議席を拡大、この二党が連立政権を作って議会の過半数を獲得する可能性が高まっています。

▼現在のイタリアの政治の状況とは?

 

この連立政権が誕生すると、国民の支持は得ることが出来るかもしれないが、政府支出を度外視したような政策を実施することにより、財政が拡大してしまい(国の借金が増えてしまい)、イタリアのみならず、欧州はおろか世界的な経済の不安要因になるのではないかと5月以降に警戒感が強くなっています。

 

5月28日月曜日は米国と英国が休日であったことから、相場の動きは限定的だったものの、翌日の5月29日火曜日に相場は大きく荒れる展開になりました。

イタリア2年国債 1MONTH

この上のグラフのように、政治不安が高まっているイタリアの国債が5月29日に大きく売られました。国債は売られると、金利が上昇する仕組みになっています。

(このグラフだけからはわからないかもしれないが、このようなレベルで売られることを、筆者は未だかつて見たことはない…。)

イタリアの2年国債は普段は0.1%動くだけでもびっくりするような商品なのだが、この日は2.5%も動きました。ロスカットとかも大量に入っていたにせよ、信じられない値動きだったでした…。

 

イタリア国債が大暴落したことを発端に、世界的に株が叩き売られて、ユーロは大暴落しました。

ユーロドルは、一時昨年7月以来となる1.15まで下落が進み、リスク可否のために円買いが強まった結果、ユーロ円は125円を割り、ドル円も4月中旬以来となる108.10まで下落が進みました。

EURJPY

週後半はユーロが上昇して、円安が進み、週後半はユーロが買い戻されて、円安が進みました。

イタリアは最終的に、上で述べた連立政権が発足することになり、実際に、ポピュリズム政党である「五つ星運動」と極右政党である「同盟」が連立政権を作って、政権を担ったとしても、突拍子もないことはやらないのではないかという安心感が多少は芽生えてきているようで、29日火曜日に大幅にリスクオフに動きすぎた分の巻き戻しが水曜日以降は続きました。

 

金曜日に発表された雇用統計が予想よりも良い結果になったことや、一時は中止するかもしれないと言われていた、米国と北朝鮮の首脳会談も当初に予定されていた通りに6月12日にシンガポールで実現することが正式に決定したことから、週後半はリスクオフにつながる要因も特に出てこなかったことから、円安の流れも継続しました。

 

来週以降の相場に関して
ドル円は110円の定着は難しく、中長期的には下落すると予想しています。週後半に多少の安心感は生じたものの、今後もイタリアをめぐる政治問題は残り続けるのではないでしょうか。

また明らかに市場参加者の米国に対する2018年の利上げ期待が高すぎることから、この期待が剥落していく可能性が高いためドル円の上昇は難しいと予想しています。

そして、需給的に積極的に110円から上を買うような投資家も限定的であると考えるため、ドル円の上値は重くなりやすく、中長期的には108円付近を再び目指していくと予想しています。

 

▼今週の為替/FX市場のまとめと来週の相場予想