ユーロの下落の要因とイタリアの政治関係について

参考記事
追記(2018年10月5日):この問題に関する続報を記事にしています。当記事と併せてお読みください。
イタリアの政治・財政問題とユーロへの影響
今週、ユーロが大きく下がっています。

年前半に、ユーロドルは1.255、ユーロ円も137.50まで上昇していたのですが、この1ヶ月でユーロは大きく売られて、ユーロドルは1.170、ユーロ円は128円付近まで下落しています。

様々な要因で下落したのですが、ここ2週間の下げの主因は「イタリアの政治問題」です。

今回は「イタリアの政治問題」とユーロの下落の関係を解説しつつ、最後にユーロの展望をまとめたいと思います。

ユーロ下落の要因

ここ2週間のユーロ下落の要因は、イタリアの政治問題です。これによって、欧州でリスクオフが起きたことからユーロが売られています。(下記)

2018年ユーロドル(年前半から大きく下がっている)

2018年ユーロ円(年前半から大きく下がっている)

イタリアの政治問題を解説

それでは、マーケットのことが何も分からない相場初心者の人でもわかるように、現在、世界マーケットをお騒がせしているイタリアの政治問題について解説していきたいと思います。

 

イタリア政局の現状と出来事

あまり政治の事を理解していなさそうな感じなのに、国民の支持率だけは高い政党が2つあって、その2政党が連立政権を作る流れになっています。

  • 数年前にコメディアンが作った、ポピュリズム(大衆迎合主義)政党の「五つ星運動」
  • 移民排斥やEUからの離脱を主張する極右政党の「同盟」

がその二つの政党にあたります。

 

この二つの政党は、今年3月のイタリアの総選挙の時に、議席数を伸ばしました。

現在、単独で過半数を取っている政党が存在していない、いわゆるハング・パーラメント状態になっているイタリアにおいて、これら2党が連立政権を作ると過半数の議席を獲得できることから、様々な政策を通すことが出来るようになっちゃいます。

 

そして、これら2党による連立政権は、国が借金増えちゃうことを考慮せずに、めちゃくちゃな政策をたくさん決定してしまうリスクがあると市場参加者が警戒感を強くしています。(バラマキ政策的なことをたくさんやったりとかです)

 

もし、本当にそうなってしまうと、イタリアの借金が膨らんで大変なことになってしまいます。最近このようなリスクがあることから、イタリア国債が危険だと判断されて売られ、そのためイタリアの金利が上昇しています。(国債などの債券は売られて価格が下がると金利が上昇してしまいます)

 

イタリアの景気が悪くなるとユーロが売られる

イタリア国債の金利が上がると、イタリア政府が新たに借金をする時の金利も上がってしまうので、もっともっと財政が悪化していきます。

 

また、イタリアの銀行は2008年のリーマンショック以降に起こった欧州危機の頃から、現在に至るまで、あまり経営状態がよくありません。そんなイタリアの銀行は、イタリア国債を大量に保有していることから、イタリアの国債価格が下落すると、更に経営状態が悪化してしまうのですが、これも欧州の景気を悪化させるリスクと言えるでしょう。

 

イタリアの国債が売られてしまうと、こういったリスクが生じるため、ユーロ圏の中央銀行であるECBは、2014年から続けてきた量的緩和(ユーロ圏の各国の国債を中央銀行が購入することによって、国債価格を上昇させて、金利を低下させることによって、世の中の消費を増やそうとする金融政策)を本来ならば、今年9月に終了しようとしていたのですが、終了できなくなってしまうかもしれません。

量的緩和を予定通りにやめることが出来たならば、欧州の金利は上昇方向になり、投資の魅力が上がることからユーロは買われる動きになるのですが、量的緩和を終了出来ないならば、ユーロの金利が上がらない方向になるため、ユーロに投資する魅力が上がらないということになるので、ユーロは売られる方向になってしまいます。

 

ユーロの今後の予想
以上のようなことから、最近の欧州時間は、

イタリアへの警戒感→イタリア国債が売られて金利上昇→ユーロが下落

こういう流れになることがとても多くなっています。

当分の間、この問題はマーケットに深くのしかかります。そう考えると、ユーロが反発することはまだ先になると思いますし、上値の重い時間が続く可能性が高いと思います。

参考記事
追記(2018年10月5日):この問題に関する続報を記事にしています。当記事と併せてお読みください。
イタリアの政治・財政問題とユーロへの影響