FOMCとは?FOMCの詳細や為替市場を大きく動かす理由についてわかりやすく解説

米ドルを中心に、為替市場を大きく動かす可能性のある米国のFOMCについて今回は解説を行ないます。
FOMCとは何か、FOMCの開催スケジュール、FOMCのメンバーと投票権について、FOMCメンバーの発言が為替市場に与える影響、SEPとドットチャートについて詳しく解説していきます。

FOMCとは?

FOMCとは、Federal Open Market Committeeの略であり、日本語に訳すと連邦公開市場委員会を表します。

これは、米国の中央銀行であるFRB(Federal Reserve Bank)が行なう金融政策を議論する会合であり、日本で言うところの日本銀行金融政策決定会合や、ユーロ圏で言うところのECB(Euro Central Bank=欧州中央銀行)理事会に相当します。

FOMCの開催スケジュール

FOMCは基本的に年8回、約6週間ごとに2日間にわたって開催されます。
そして、年8回の開催の中で特に重要なのは、3月6月9月12月の3の倍数の月に行なわれるFOMCです。

なぜ重要なのかと言うと、3の倍数月の2日目の会合終了後にFRB議長の記者会見が行われるほか、SEP(後述)とその中のドットチャート(同じく後述)が発表されるためです。
(3の倍数月以外のFOMCは、会合で議論された内容の声明文が発表されるだけです。)

他の月よりも内容が濃く、その時のFRBの考えを金融市場参加者に伝える機会が多いことから、過去の事例を見ても、3の倍数の月に利上げや利下げなど金融政策を変更する可能性が非常に高いことがわかります。

FOMCのメンバーと投票権

FOMCでは、FRBの議長・副議長を含む理事と各地区の連銀総裁が出席して、金融政策に関する議論を行ないます。
そして、政策決定の投票権に関しては、議長・副議長を含む7人の理事と、輪番で定まった5名の地区連銀総裁が有しています

5名の地区連銀総裁のうち、ニューヨーク連銀総裁は常に投票権を持つことから、残り4名の投票権は1年おきに交代する仕組みになっています。
わかりやすいように、以下に直近3年間のFRBボードメンバーと投票権の有無を表す図を貼り付けておきます。

FOMCメンバーの発言が為替市場に与える影響

よく経済指標やイベントや要人発言のカレンダーなどにおいて、○○地区連銀総裁××が発言やFRB理事△△が発言という項目がありますが、この発言が市場を動かす仕組みを説明します。

これらの発言は、FOMCで金融政策を議論する人物の発言であり、少なからずその人物は実際の米国の金融政策を変化させる役割を担っています。

そのため、FOMCに参加するメンバーがタカ派(※1)な発言を行なうと、利上げ期待からドルは買われやすく、ハト派(※2)な発言を行なうと利上げ期待の後退からドルは売られやすくなります
※1…物価上昇に強気だったり、金利引き上げに積極的であること
※2…物価上昇に弱気だったり、金利引き上げに消極的であること

なお、なぜ利上げ期待からドルが買われやすいのか(もしくはその逆)、物価上昇に強気であることと金利引き上げに積極的であることに関係があるかについては下記の記事を参照してください。

利上げ期待からドルが買われやすい理由

SEP、ドットチャートとは何か

次に、上で触れたSEP、ドットチャートについて解説します。

SEPとはSummary of Economic Projectionsの略であり、FOMCに参加するメンバーの未来の経済予測のことです。
具体的にはその年や翌年、翌々年などの年末の段階で、物価上昇率や失業率、GDPなどの経済ファンダメンタルズがどのような数字になっているのかの各メンバーの予測を集計したものです。

そして、このSEPの中で特に重要なのがドットチャート(ドットプロットチャート)です。
これは、各メンバーの将来の政策金利がどの水準にあるのかの予測を点にしたグラフのことです。

ドットプロットチャート(参照:FRB

FOMCのボードメンバーの金利予測が前回発表時に比べて上振れると、将来の利上げを行なう期待が高まってドルは一般的に買われやすくなります。
逆に下振れると将来の利上げの期待が低下することからドルは売られやすくなります。

最近のFOMCが利上げを行なう時には、その段階で市場に利上げ実施が完全に織り込まれていることも多く、利上げの実施が実際に発表されても金利市場や為替市場が大きく動くケースが多くありません。
しかし、このドットチャートが市場を大きく動かすケースは多いように思えます。3の倍数の月のFOMCではSEP、特にドットチャートがどのような数字が出てくるのかに注目することが大切だと思います。

追記:2019年1月現在の米国政策金利

2019年1月現在、米国の政策金利は2.25%-2.50%です。
基本的にFRBは利上げをする際は0.25%引き上げます。

上記のチャートは直近10年の政策金利の推移です。
今後、実際に政策金利がどのように推移していくのかによって、為替市場も大きく動きますので、FOMCやそれを取り巻くFRBの要人発言には要注意です。

なお、市場が利上げの確率を予想する、利上げ予想確率というものがあります。
毎日更新していますので、下記リンクからご覧ください。

市場が織り込んでいる利上げ予想確率