金利と為替の相関関係【FXの基礎知識】

ここでは、金利が動くと為替にどのような影響を与えるか?をマーケット初心者の方でもわかるように解説します。

そもそも金利って何?という方は下記の記事をご覧ください。

▼金利とは?金利のあれこれをわかりやすく解説

さて、結論から言うと、ある通貨の金利が高く(低く)なると、その通貨を買う(売る)インセンティブが働くため買われ(売られ)やすくなります。

つまり、

ある国の金利が上がる。

するとその国の通貨の魅力が上がって買われやすくなる。

よってその国の通貨は上昇する。

このような流れで金利が上がるとその国の通貨も上昇するんです。
(金利が下がった場合はこの反対)

「あー、なるほど!」とここで分かった方はもう大丈夫ですね!
「イマイチよく分からないな…」と言う方は下の文章を読んでみてください。
(かなり長文ですが、金利と為替の関係についてしっかり理解できるようになるはずです。)

長期投資においては インカムゲイン が意識される

そもそも通貨の魅力とは何でしょうか?
それはズバリ投資した時の儲かりやすさです。
つまり、上の例で言えば、金利が上がると儲かりやすくなるということです。

さて、投資と言えば キャピタルゲイン 狙いの短期投資が頭に浮かびますが、世の中は短期投資ばかりではありません。

私達の銀行預金や保険料、年金などのお金も当然運用されていますが、そういった資産運用は短期投資ではありません。
何年もの期間(長いものでは20年以上)を見据えた長期投資がなされています。

そういった長期投資を行うときは キャピタルゲイン だけでなく、金利などの インカムゲイン をかなり意識して投資します。

では、 インカムゲイン をどのように意識したら儲かるのでしょうか?

実際にドルと円で 国債 に長期投資するケースを考えてみましょう。
※ここでは投資額を1億円、ドル円の為替レートは1ドル100円と仮定して話を進めます。

ドルで長期投資する場合

まずドルを入手する必要があるため、1億円を1ドル100円のレートで100万ドルに換えます。

その100万ドルで米国10年国債(金利2.5%)を買います。
金利2.5%とは、米国債を持っているだけで、年間2.5%のリターンが入ってくるという意味です。

つまり、10年間保有すれば、毎年2万5,000ドル(100万×2.5%=2万5,000ドル)×10年なので、合計で25万ドル儲かります。

そのため、10年後には償還される100万ドルとあわせて125万ドルになりました。
10年後も為替レートが1ドル100円であれば、2,500万円の儲けですね。

ドルが暴落するリスクがあるじゃないか、そんなにうまくいくものか、という声が聞こえてきそうです。

もっともですので、ドル安のケースも想定してみます。

ドルが暴落して、10年後のドル円レートが1ドル85円になったとします。
計算してみると、125万ドル×85円/ドル=1億625万円となり、まだ625万円の儲けがあります。

ここで大切なことは、確かに為替レートの部分では キャピタルロス が発生していますが、
10年分の金利による インカムゲイン が十分にあったことから、全て合算すると利益が出ていることです。

円で投資した場合

次に、米国のドルで投資を行わず、円で日本の国債を買って運用するケースを考えます。
金融緩和 の影響で日本の10年国債の金利は0.1%とします。

1億円の0.1%は10万円です。
日本の10年国債を保有していれば1年あたり10万円取得できます。
つまり10年間で100万円の儲けです。
結果的に、1億円は10年間かけても1億100万円(100万円の利益)にしかなりませんでした。

金利が高いと通貨の魅力も高まる

上記のドルと円で長期投資したケースを比べると、たとえ円高になっても、ドルで投資した方がリターンが良かった(625万>100万)という結論になります。

今回のケースでは、 インカムゲイン (金利部分)によるリターンが キャピタルロス (為替の損失)を上回って利益が出た訳ですが、
長期投資において、金利が高い=魅力的になりやすい(儲かりやすい)ということが理解できると思います。

では、金利は現実のマーケットにどう影響を与えるのでしょうか?

まず、金利が高ければ インカムゲイン が大きくなることから、長期投資のマネーが流入しやすくなります。
逆に金利が下がれば、 インカムゲイン の低下をもたらすことから、その国の通貨から資金が流出していきます。

そして、上記の インカムゲイン 狙いの長期投資だけではなく、短期トレーダーもこのような通貨上昇(下落)の恩恵を得ようと投機的なポジションを取ります。

また、そもそもマーケットは単純に、金利が上がるならばその通貨を買う、金利が下がるならばその通貨は売ると動くものだったりします。

アベノミクスでなぜ円安になったのか

金利がマーケットを動かした具体的な例を見てみましょう。

日本において2012年末に自民党が選挙に勝利してから、75円近くまで進んでいた円高は、2015年5月に126円近い水準の円安になりました。
これはアベノミクスの 金融緩和 によって円金利が低下し、投資の魅力が下がった円が売られたからです。

そして、2013年以降にドルがあらゆる通貨に対して上昇した理由の一つとして、多くの通貨がデフレに苦しみ 金融緩和 の拡大を余儀なくされている中、インフレの回復に伴って利上げ期待が高まり、ドルの魅力が高まったことが言えます。

なお、金利は通貨の魅力を表す一要素でしかないということに注意してください。
トルコリラや南アフリカランドはかなりの高金利通貨ですが、この数年でドルよりも買われたかと言えば違います。
むしろ対ドルではこれらの通貨は大きく下落しています。
なぜなら、金利は高くてもその他の点が嫌気されて売りが進んだためです。

このように金利は通貨の様々な要素の1つでしかありません。
ただし、今を基準に今よりもある通貨の金利が上がれば、相対的に魅力が上昇してその通貨が買われる要因になります。
また、その逆で金利が下がれば売られる要因になります。

だからこそ、様々な国の通貨の債券の金利や 政策金利 の動きに注目することは為替市場に参加するにあたって非常に重要なことと言えるでしょう。

▼そもそも金利が何かを知りたい方はこちらをご覧ください