今週の仮想通貨と為替(FX)市場についてまとめました。
今週起こった出来事やニュース、それをもとに来週以降の相場について自分の見解を予測しています。リアルタイムの仮想通貨のニュースについてはTwitterにて発信しています。
仮想通貨市場
今週の仮想通貨市場は大きく下落していたが、6月30日土曜日に大きく反発したことから、世界の時価総額上位10種の仮想通貨は6月30日現在、前週末比とほぼ変わらない水準まで戻しています。
ビットコイン(BTC)は、前週末68万円程度の水準に位置、29日金曜日段階では64万円台に位置していたが、70万円の大台まで回復して6月を終えようとしています。
今週も前週までと同様に非常に仮想通貨を取り巻く地合いは悪かったです。
- 米国Tether社が2.5憶ドル相当のテザー(USDT)を発行、仮想通貨市場に資金が流入
- Facebookが仮想通貨の広告を全面的に禁止していたが、一部の広告を掲載するように運営を変更することを発表
このような仮想通貨市場にとってポジティブなニュースはいくつかあったものの、終始、こういったものへの反応は限定的でした。
前週や前々週同様に、規制強化や不正事件が相次いでいた流れを今週も引っ張り、上値は非常に重い時間が続いていました。
▼先週の仮想通貨市場のまとめ
▼先々週の仮想通貨市場のまとめ
ビットコイン先物による29日金曜の下落・30日土曜の上昇
そして6月29日金曜日は、ビットコイン先物最終売買日であることが原因で下落したと推測しています。
ビットコイン先物は、シカゴの証券取引所に上場されていて、毎月最終営業日が最終売買日となります。そのため、最終売買日付近では現在保有している先物のポジションを解消して、翌月の先物を再びポジションするというロール取引が発生しやすくなります。
例:6月限(ろくがつぎり)のビットコイン先物をロングしていて、そのポジションをキープしたい投資家は、最終売買日までに、その6月限ビットコイン先物を売って、翌月7月の最終営業日が最終売買日となる7月限(しちがつぎり)のビットコイン先物を新たにロングします。
通常は、このようなロール取引は、売りと買いを同時に執行することが多いものの、そのほかの要因で売りや買いの片側だけの取引しか行われないこともあるし、売ってから時間を空けてから買うことや、買ってから時間をあけてから売ることもあります。
投資家のその時の状況によって、これらは異なってくるのだが、昨年12月にビットコイン先物の取引が開始して以降、ビットコインは最終売買日に大きく売られる傾向が非常に強いです。
そのため、今回も6月の最終売買日である29日にビットコイン先物が大きく下落することを見越してショート方向にポジションを構築していた投資家が多かったのではないだろうか。
私はこのことが要因で29日にビットコインはもう一段階売られたのだと考えています。
そして、6月30日になり、ビットコイン先物は平日しか取引を行っていないが、ビットコイン現物は土日でも取引が出来ることから、ショートしていた投資家はポジションを解消するために買い注文を入れたのではないだろうか。
また、ビットコインを買いたいと考えていた投資家は、6月29日の先物最終売買日が下落することが多いことから、買いたくても、6月29日が終わるまで我慢していて、30日になってから新規でロングを構築したのではないかと考えています。
このような動きが入ったことから、64万円台だったビットコインは一時71万円近くまで反発して、仮想通貨価格全般も上昇の流れが出来たのではないだろうか。
来週の仮想通貨市場
現在、3週間ぶりに仮想通貨価格に強気になっています。来週は上昇しやすいと予想、ビットコインは75万円付近までの上昇は十分にあり得ると考えています。
上述のような今週あった仮想通貨価格に対するポジティブなニュースに反応が薄かったのは、チャート的にも全く下げ止まっていない状況の中、ファンダメンタルズだけで積極的に買いに動けなかったからではないだろうか。
いったんそこそこ大きく反発したことから、市場参加者のマインドも改善しやすく、今週はポジティブなニュースが出ると素直に仮想通貨価格は上昇で反応すると予想しています。
また個別の事象としては、引き続き、リップル(XRP)が有価証券としてみなされるのかということと、今週のFacebookに続いて、TwitterやGoogleなどが2018年になって規制を強化した仮想通貨絡みの広告の扱いを今後どうしていくのかに注目をしています。