【5/21-5/25】今週の仮想通貨のニュースと来週の相場予測

一橋大学卒。欧州系投資銀行所属、金利・為替トレーダー。

また、個人で2016年より仮想通貨を保有しています。Twitterで色々発信しています。(@c_p_t_k_d

仮想通貨市場

前週末91万円程度の価格だったビットコインは、81.5万円付近まで大きく下落、今週も先週に続き、ビットコインをはじめ主要仮想通貨は価格下落が進みました。

ビットコイン

金融機関の仮想通貨・ブロックチェーン技術の導入などのポジティブなニュースも多々あったものの、目新しいものではなく、むしろ以下に挙げられるようなネガティブなニュースが材料視されてしまった1週間になったと思います。

 

下落した要因

今週、仮想通貨が下落した要因は主に以下の3つが挙げられると思います

  • 5/21(月)米国とカナダの証券規制当局が仮想通貨詐欺の取り締まりを実施すると発表
  • 5/22(火)時価総額30位程度の仮想通貨であるVergeのブロックチェーンの書き換え
  • 5/24(木)米国司法省がビットコイン・イーサリアムの価格操縦が行われていると考え捜査を行うことを宣言

 

それではこれらのニュースを一つ一つ解説していこうと思います。

 

5/21(月)米国とカナダの証券規制当局が仮想通貨詐欺の取り締まりを実施すると発表

まず、米国とカナダの金融監督当局の仮想通貨詐欺の取り締まりに関する報道ですが、2017年以降、米国・カナダ両国ではICOをはじめとする仮想通貨の詐欺が相次いでいます。

今月から、通告のあった70の事例を捜査して、そのうちの35の案件に対して、停止処分などの制裁を行ったとのことで、この報道が米国の主要紙のサイトで報道されたことによって、仮想通貨市場の初動は売りで反応しました。

 

規制が強化される報道が出てくると、仮想通貨が売られるというのはもはや定番の動きにはなっていますが、長い目で考えるならば、仮想通貨の詐欺が減少するということは、適正な仮想通貨市場を作ることに貢献することであるため、長期的な目線でいうとネガティブなニュースではないように思えます。

 

5/22(火)時価総額30位程度の仮想通貨であるVergeのブロックチェーンの書き換え

日本国内の取引所では、取引できないので馴染みの薄い通貨だと思いますが、Vergeという仮想通貨があります。2017年初頭までは単なる草コインの一つだったのですが、昨年驚異的に値上がりして、現在は世界の仮想通貨の時価総額30位程度に位置する新興の仮想通貨です。

この通貨のブロックチェーンが書き換えられることにより、不正な送金が発生して2億円が不正に何者かによって奪い取られたということが今週起こりました。

先週もモナコインやビットコインゴールドなどの複数の仮想通貨が、ブロックチェーンの不正行為により、不正送金が行われていたことから、今回のVergeの件も合わせて、市場では仮想通貨の不正行為への脆弱さが改めて問題視されています。

 

代表的な事例を挙げると、今年1月のコインチェック事件のように、大規模な不正が行われると、不信感からか仮想通貨は大きく売られてしまいます。

 

ブロックチェーンの書き換え等による不正送金が続いていることから、来週以降も同じようなじれが続くようならば、仮想通貨・ブロックチェーン技術への不信感が高まり、ますます仮想通貨の上値は重くなるリスクが現在は高まっていると言えるでしょう。

 

5/24(木)米国司法省がビットコイン・イーサリアムの価格操縦が行われていると考え捜査を行うことを宣言

これが今週の仮想通貨市場を最も下落させた要因だと思います。

証券会社や銀行などの大手金融機関の金融不正行為に幾多の巨額な罰金を課してきた、あの米国司法省が動き出したというのはマーケットを大きく揺るがしました。この10年だけでも、BNPパリバとか、ドイツ銀行とかバークレイズとかAIGとか、1兆円近い罰金を課されてきていますからね…。

そんなやる時は徹底的に操作を行い、制裁を加えることに定評のある米司法省は、ビットコインとイーサリアムの価格操作を不正に行っている存在がいると考えているようで、その存在を特定して何らかの制裁を加えようとしています。

見せ玉や、不正に複数人が協力し合って売買を成立させて、不当な板を形成しているようなことをやっているとの疑いで捜査を行っているようです。

 

この報道のインパクトは非常に大きく、報道があった木曜日には、ビットコインは対ドルで8000ドルを割り、対円でも80万円を割って下落が進むような場面が見られるなど、主要仮想通貨は大暴落しました。

 

ただ、この報道も上で書いた①の事例と同様で、長い目線で考えると不正取引を減らして、適正な仮想通貨の取引インフラを形成することに貢献することだと思います。

 

まとめ
これらのネガティブなニュースが材料視されたことから、今週は大きく主要仮想通貨価格が下落する週となりました。先週、この場で来週も上値が重くなるだろうと述べましたが、現在も全く同じことを考えています。

様々な規制強化や不正な事件の報道が相次いでいて、現在の市場参加者の投資マインドは冷え切っていると思います。ポジティブなニュースが出てきても、このような状況ならば、こわくて積極的に仮想通貨のロングを積み増す気にはなれない時間がまだしばらく続くのではないかと考えています。

来週も、ネガティブなニュースへの反応は大きくなりやすく、上値の重い時間が継続するのではないでしょうか。